2016年07月25日

出来高の少ないETFを買うべきでない3つの理由


昔は投資信託よりETFの方がマーケットでタイミングを見て買えるし良いよね〜とか思っていたのですが、
出来高の少ないETF(つまり日本上場のほぼすべてのETF)は全く買うべきではないと思うようになりました。

理由
1.ETFは投資信託よりも信託報酬が安く購入手数料もかからないように見えるが、市場での売買コストがとても高く付く

ETFは株の詰め合わせなので、ETFを構成する株の時価から、そのETFの理論的な時価(NAV)を知ることが可能です。
十分に市場取引されているETFであれば、理論的時価から大きく乖離して売買されることは無い(誰かが裁定取引をしてくれる)のですが、
出来高が十分でないETFでは、理論時価(NAV)から乖離しても、今日買いたい人が誰も居なければそのままの値段で放置されてしまいます。

NAVからの乖離が大きくなるということは、買い手と売り手がそれぞれ提示する値段の差も大きくなるということです。
理論時価が1000円としても、売り手は、「誰かが焦って買ってくれればもっと高値でも買ってくれるかもしれないから、とりあえず1005円で売値を付けよう」と考えるようになります。
買い手の方も、「誰か急いで売りたい人が995円で投げ売りしてくれるかもしれないから、995円で買いを出してみよう」
となり、この例では、今売買しようと思えば結局1000円の理論時価に対して0.5%のコストが掛かってしまいます。
これは多くのノーロード投信の年間の信託報酬より高くなってしまいます。

もちろん、自分も1004円や996円で待ってみることも可能ですが、いつ売買が成立するか(もしくは相場が動いて成立しなくなるか)はわからなくなってしまいます。
さらに言えば、自分が売りたい時はだいたい他人も売りたい時だし、自分が買いたい時はだいたい他人も買いたい時であるということを考えると、この作戦はあまりうまく機能しなさそうです。
つまり、出来高の少ないETFの売買は足元を見られるということです。


2.売買に手間がかかり、いつ売買が終わるかもわからない
買いたい人と売りたい人が両方存在しなければETFの取引は出来ませんので、
今日いくら買いたい・売りたいと思っても、それが叶わないことが頻繁に生じます。
自分はETFを1000株持っていて、それを売りたいとします。急いで全部売りたいと思っても、買い手が1000株分居なければ売れませんし、1で話したように売買コストが高くついてしまいます。(足元を見られます)
なので、うまくETFを売りたい時には、
・何株くらいであれば市場を崩さずに売買できるか
・国内上場株式でなければ、今の理論時価(NAV)がいくらが適切か考える
・執行を成行で出すか(成行で出しても大丈夫か)、指値で出すならいくらで出すか
など、いちいち、いろいろなことを考え、発注を出さなくてはいけません。
また、このように市場で無理をしない売買をしようとすれば、いつになれば望む株数を売買し終えるかもわかりませんし、
売買に時間がかかれば相場が変わってしまうリスクもあります。
一番の問題は、こうした発注を社会人であれば平日の朝9時〜昼3時にやらなくてはいけないということです。つまり、流動性のないETFを売買するのは大変です。


3.投資信託であればそのような問題はない
投資信託であれば、買いたい・売りたい時にはフェアに計算されたその日の基準価格で購入・解約が可能です(=売買コストがかからない)
売れてない投資信託であっても解約を断られるということはありませんし、いちいちこちらでいくらが適正価格かを考える必要もありません。誰か代わりに買ってくれる人がいる必要もありません。(=売買が楽)
つまり、わざわざ出来高の少ないETFを買って苦しむよりも、投資信託を買う方が楽だし足元も見られないので良いということてす。

ETFと違って投資信託は販売会社が制限されるため、欲しい投資信託が買える会社で口座を持たなくてはいけません。
そこが難点になります。

posted by ロボたいしょう at 22:33 | Comment(3) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月19日

知の逆転

読みましたが、あまり面白くありませんでした。。。
代表的な知識人6人へのインタビュー記事なのですが、うーん、、、
インタビューの内容が、本人の業績についてのものなのか、それとも、知識人が現代を切る、的な内容なのかがブレてるのが気になります。


インタビューされている人は、ちょっと前に大発見をした人たちなので、その人たちの発見は、すでにもう新しくないというジレンマがある気がします。
(よく知らない知識人については、その業績を紹介してくれたのは良かった)

社会、教育、宗教などについて、語る(現代を切る)部分については、正直、おっさんが適当に言ってるレベルのもあるんじゃないかなぁ、とも思いました。
(というか彼らの意見があまりに正論すぎて、新たな発見や気づきがない?)


以下は面白かった部分

ジャレド=ダイヤモンド
言語の獲得が人類を飛躍的に進化させた
700万年前は、人類とチンパンジーは同じだった
20万年前までは、人類はただ二足歩行で大きな脳を持つチンパンジーでしかなかった
その後、言語を獲得したのが最も重要な進化のステップだったのではないか

人生の意味を問うことに意味がない
人生というのは、星や岩や炭素原子と同じように、ただそこに存在するというだけのことであって、意味というものはない。

チョムスキー
アメリカにとって、産業の種となったものはほとんど政府(軍事)から来ている。
(航空機、インターネットなど)
市場原理なんてのは嘘っぱちで、政府の助けがないと資本主義は破綻してしまう。
逆に政府の援助が最もない分野が金融で、だから何度も破綻する。

五万年間、人類の認識能力は進化していない
五万年前、ごく小さなグループの人類が東アフリカを出て急速に全世界に広がった。
アフリカを出てから、遺伝子的に隔離された、パプアニューギニアやアマゾンの原住民の子供たちも、教育さえ与えれば先進国の子供と違いはない。つまり遺伝的な差異がないということ。
5万年前から10万年前に、人類の能力の飛躍的な発展があり、それが言語の獲得だったと思われる。

5万年間、数学を全く使わなかったパプアニューギニア人でも、アメリカで育てれば数学が出来るようになる。
数学は言語獲得の副産物の能力なのではないだろうか?


マービン=ミンスキー
科学の知恵は、偉大な個人によってもたらされる
大衆の集合知能には期待すべきではない
(インターネットの集合知は多分ダメ、とは多くの知識人がこの本の中で述べている。民主主義にあまり、期待しない方が良いとも(ブッシュを例に出して))

思考と感情のうち、感情は特別で神秘的なものと思われてきたが、それは誤りである。
感情は単純な動物でも持っている。しかし状況に応じて様々な反応ができるのは人間だけだ。
感情は10〜20くらいの方法で物事を理解する方法に過ぎない。
(ダニエルカーネマン、ファスト&スロー的な発想かなと思った。)


トム=レイトン
アカマイテクノロジーズについて
(インターネット上のサーバーにアクセスするとユーザーは全く意識しないまま、最も近いアカマイテクノロジーズのサーバーにアクセスし、情報をダウンロードしている。
効率的なネットワークサーバーを企業に提供するサービス)


ジェームズ=ワトソン(DNAの二重らせん構造の発見でノーベル賞)

(歯に衣着せぬ物言いで面白い)

生物科学における研究テーマ3つ
「脳」「老化」「メタボリック」
脳が何をしているのか
老化を楽しめるか
デブにならないためにはどうしたらよいか

一方で、細胞がどうなっているかについては、理解がだいぶ進んできた。
その最たる目的が、ガンの克服。これについては近い将来に可能ではないか?

教育に時間をかけすぎている。
モラトリアムが長すぎる。
成人年齢をもっと早めるべきである。

安楽死・尊厳死は近い将来、かならず一般的になる。



posted by ロボたいしょう at 21:39 | Comment(0) | 読書・書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月16日

時価加重平均は投資家のリターンの平均を示すか?(下)


複数期間の場合にも、時価加重平均が投資家のリターンの平均を示すかどうかを考えます。
シミュレーション簡便化のため、銘柄の単位数は時価の増減では増減しない(固定)
とします。

投資期間ごとに、各投資家がどのように銘柄を乗り換えていくかについては


さらにXとYを購入するタイミングも、XとYを持つ比率も、それぞれの投資家で自由なんだから、そのような投資家を無数のパターンで平均したらどうなるのか、という意味です。私はそれが時価加重ではなく相加平均になるのではないかと考えています(それが前のコメントで示した記事のモンテカルロです。ただしあのsimには時間方向の購入タイミングのパラメータ(積立など)は入っていません)。


とありますので、各期間ごとに独立に銘柄がランダムに割り振られるものとします。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1PtHwMpIWaddBWb1vovyuCulH59t3euHN70hN5lgnk8M/edit?usp=sharing
この条件で2期間のリターンを求めたスプレッドシートがこちらです。

2期間シミュ.png

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posted by ロボたいしょう at 17:26 | Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

時価加重平均は投資家のリターンの平均を示すか?(上)

これまでの記事の続き。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1MKBHqm3sVDNVAEAgwX2Yx-dTbGF7PoomNN07fahxRgw/edit?usp=sharing

ここのGoogleスプレッドシート上にもあるので、閲覧環境のある方はこれで見てみてください。

1期間シミュ.png


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posted by ロボたいしょう at 16:03 | Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

他blog『インデックス・ドライバー』との議論(5)

インデックスドライバー
http://indexdriver.blog.shinobi.jp

のコメント欄で、なかなか熱い議論を行いました。(5)

今回は時価加重平均のポートフォリオについてです。

インデックス投資の研究状況を知りたい
http://indexdriver.blog.shinobi.jp/Entry/1092/

のコメント欄でのやり取りです。

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ロボたいしょう

ポートフォリオの配分(ウエイト付け)の話から先にさせていただきます。 
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posted by ロボたいしょう at 14:20 | Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月15日

他blog『インデックス・ドライバー』との議論(4)

インデックスドライバー
http://indexdriver.blog.shinobi.jp

のコメント欄で、なかなか熱い議論を行いました。(4)

今回は時価加重平均のポートフォリオについてです。

インデックス投資の研究状況を知りたい
http://indexdriver.blog.shinobi.jp/Entry/1092/

のコメント欄でのやり取りです。

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ロボたいしょう

@時価総額加重平均が全投資家の「平均値」になることの一般的な証明 

浮動株調整時価加重インデックスで、そうなっていないと考える理由はどのようなものでしょうか? 
株が投資家と非投資家(例えば持ち合い株主、自己株式、オーナー保有分のような、市場での取引を目的としない株主)に保有されているとき、 
浮動株でない株(非投資家に保有されている株)を除いた全ての株を保有すると、 
それは全ての投資家の保有する株のリターンを、その大きさに応じて加重平均したものになると思うのですが。 
(もちろん、どうやって浮動株でない株を決定するのかという問題が残りますが) 

特に「市場ポートフォリオが効率的」というのは証明や検討が不十分なのではないかと考えています。 

CAPM理論のことかと思いますが、その後の実証研究でCAPMが全然成り立っていない例が多数発見されています。 
(その例の一つが、ファクター(バリュー効果、小型株効果など)と呼ばれるものです) 
市場ポートフォリオがまったく効率的ではないのはわかっているのですが、 
かといって市場ポートフォリオ(浮動株調整時価加重)はあまりに普及してしまって、かつ低コストで運用が楽ということもあり、 
運用を委託する側がその妥当性を十分検討していないというのが現状かと思います。 

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posted by ロボたいしょう at 22:38 | Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月14日

他blog『インデックス・ドライバー』との議論(3)

インデックスドライバー
http://indexdriver.blog.shinobi.jp

のコメント欄で、なかなか熱い議論を行いました。(3)

今回は時価加重平均のポートフォリオについてです。

インデックス投資の研究状況を知りたい
http://indexdriver.blog.shinobi.jp/Entry/1092/

インデックス投資憎し(?)のためか、氏の主張には無理があるように思えます。

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posted by ロボたいしょう at 21:53 | Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月09日

他blog『インデックス・ドライバー』との議論(2)

インデックスドライバー
http://indexdriver.blog.shinobi.jp

のコメント欄で、なかなか熱い議論を行いました。(2)


インデックス投資は「マイナスサムゲーム」かも知れない
http://indexdriver.blog.shinobi.jp/Entry/1090/

彼の主張は、
1.世界経済の成長に応じた過去の株式リターンが将来まで継続すると考えるのは、楽観的に過ぎないか。
2.株のリターンで確実にプラスになると言える分は、配当利回り(約2%)だけではないか。


私は、世界経済が成長しないケースにおいて、配当利回り以外にも株式の期待リターンがプラスになることは十分にありうると考えています。

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posted by ロボたいしょう at 16:37 | Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月08日

他blog『インデックス・ドライバー』との議論(1)

インデックスドライバー
http://indexdriver.blog.shinobi.jp

のコメント欄で、なかなか熱い議論を行いました。
このブログは、
1.時価加重平均ポートフォリオは数学的な意味付けが乏しく、理論的なバックグラウンドに基づく投資ウエイト付けをもっと考えるべき
2.等金額ポートフォリオは(さまざま理由により)事前に銘柄ごとのパラメータの推定が難しい中では数学的に良い
と繰り返し主張しています。


私は、1の時価加重がイケてないよね、という点にも、2の等金額ポートフォリオがイケてるという点にも同意しますが、
彼の主張の中にはいくつか同意できない点があり、議論を投げかけたものです。


http://indexdriver.blog.shinobi.jp/Entry/1087/
私の主張
論点1.等金額ポートフォリオは優れているが、(時価加重とは違って)みんながそれをすることは出来ない(小さい銘柄を買い上げてしまう)
論点2.「恣意性の全くない数学的ポートフォリオ」を求めるのは不可能である
論点2.2 等金額ポートフォリオは、どのレベルで等金額にするかによって全然結果が変わってくる(恣意性が多分に含まれるので、等金額なら恣意性がないと言うことは誤解である)

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posted by ロボたいしょう at 07:59 | Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする