2015年11月30日

ブラックショールズ微分方程式と大学レベルの数学の勉強


今更数学やりたきゃこれしかない!イチから全部やり直せるぞ!今ならまだ間に合う!

増補版 金融・証券のためのブラック・ショールズ微分方程式


オススメ度 100点
ターゲット
ブラックショールズの意味は大体分かるのだが、どうやって導かれたのか勉強したい
『伊藤のレンマ』は聞いたことがあるけど、Wikipedia見ても何なのかは全然わからない
大学で勉強する数学(解析系)を薄く一通り勉強したい

一通り、まぁまぁ分かったな、と思えるまでで二週間くらい取り組みました。


長い間、文転したために数学2Bまでしか勉強してこなかったことを気にしていたので、いつかはもう一度数学をやり直そうと思っていました。(理系コンプレックス克服のためにも)
2Bレベルまでの数学経験あり、証券アナリスト取得程度の数学力で、
大学レベルの解析(微積)に取り組み、かつすぐ金融工学の目に見える成果に触れたい!
という自分にはまさにぴったりの本でした。

この本は「微分・積分とは」からスタートして、最短・最速でブラックショールズ微分方程式の導出・解析解の導出までをていねいに解説した本です。
一番盛り上がるのはやはり、式変形40ページぶっつづけでブラックショールズ微分方程式をイッキ解きする章でしょう。

特筆すべきは、『とにかく数学的な厳密さはおいといて、ただひたすらにブラックショールズ方程式を解く』ことをゴールにしている点です。
他の、金融工学・ファイナンス理論系の数学本では、
集合とは〜〜 確率過程とは〜〜 から始まる、高尚な数学的議論でもう多くの読者はドロップアウトしてしまうわけです。
僕たちは集合とかそういう難しい話をしに来たわけではなく、ただ単にブラックショールズ方程式を再現したいだけなので、細かい数学的なことは置いておいてとにかく解ければいいという態度が一貫しているこの本は非常に便利です。
厳密な議論に付き合わされることはなく、一冊でブラックショールズ微分方程式を導出してただ解き切るまでのテクニックを学ぶことが出来ます。
この本を読めば、「あ、俺でも解けることは解けるわ」と思えると思います!

いかんせん、内容が内容(3Cレベルの微積、多変数テイラー展開、伊藤の公式、偏微分方程式、オイラーの公式、フーリエ展開、ガウス積分と正規分布)で、文系出身の自分目線では、工学系の大学生の数学科目のうち、線形代数、確率統計以外を全部ごちゃまぜにした内容くらいではないかと思いました。
この式を解くためにこの解法(手法)が必要なんです!という形式で新しいテクニックがどんどん紹介されるため、数学の勉強でありがちな、『えー、こんなの何に使うんだよー』が一切無いです。
難点があるとすれば、天下り的に、ここでこのように変数を置き換えます!(説明なし)みたいな説明がしばしばあるのですが、内容のあまりの分量を考えれば致し方なしでしょう。

ブラックショールズは式(というか係数)が複雑で、この本一冊では正直あんまりよくわからない場面も出てくるのですが、この部分が良くわからん!という形で明確に良くわからない場所がわかるので、ググるのも簡単です。
自分は、工学系の数学解説のページを常に参照しながらなんとか最後まで食らいついたという感じです。
とにかく、薄く・浅く・広く・今日からすぐ使える 数学の解説本です。

それにしても、微分方程式の美しさ(と答えの汚さ)には感動すら覚えますね。
微分方程式を解くために、ニュートン・ライプニッツ以降の数学は発展した(そして僕たちは微分方程式を解くために数学を勉強してきた)と言われても全く納得の内容です。
posted by ロボたいしょう at 22:35 | Comment(0) | 読書・書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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