2016年02月14日

ピーター・ティール ZERO to ONE

Zero to one
シリコンバレーのトップ起業家たちがどう考えているのか。
啓発、啓蒙系の本ではトップレベルの内容の濃さと世界観だと思う。
シンプルな主張が何度も説得力を持って繰り返されるだけでなく、
我々が明るい未来をはっきり信じるためには自分たちで明るい未来を作る必要があると述べている。



この本は、以下の2つのテーマに基づいている。
1つ目は『賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろうか』という問い。
この問いへの答えは、今までの世界の繰り返しではなく、本当の意味で新しい世界を生み出す原動力になる。

2つ目は
『1 to n (既存のものの拡張、グローバリゼーション) ではなく、
ゼロサム(奪い合い)でもない、
0 to 1を生み出すテクノロジーこそが本当に我々の世界の発展に必要である』

隠された真実を見つけ、今まで何も無かったところにテクノロジーで新しい世界を作っていくことが我々の使命である。
逆に皆が賛成している常識が間違っていることが良くあり、それを否定しながら本当に大切なことは何か、考える訓練が重要である。

続く


誤った考え1 『資本主義=競争 は素晴らしい』
正しい考え1 『資本主義は独占であり、独占こそが素晴らしい』
完全競争であれば得られる利潤はゼロになるまで薄まっていく(例:航空会社)
競争が素晴らしいというのはイデオロギーでしかない。

独占企業こそがイノベーションの源泉となる
幸福な家族はみな似通っている→企業においては幸福な企業は皆異なっている。
ビジネスは戦争に例えられる(クラウゼヴィッツ、孫子)が、ビジネスで競争が起きるのは、違いがほとんど無いからであることが常だ。競争によって本質を見失うと、価値ではなくただ争いだけが残る。
本当に価値ある企業は既存の何かを破壊もしない(既存の企業と対立をする企業は、そもそもそんなに新しいとはいえない)
小さく初めて独占するべきで、失敗するなら小さすぎて失敗するほうが良い

独占企業になるには
圧倒的テクノロジー 今までの10倍
ネットワーク効果 (周りが使うほど便利)
規模の経済
ブランディング
の4つが重要だ。

誤った考え2 『どのような成功も幸運によってもたらされるのでチャンスの受け皿を広く持つ』
正しい考え2 『自分の将来を見据えてしっかり集中して準備することで成功できる』
人生は宝くじではない。

悲観的(未来を恐れる)⇔ 楽観的(未来を待ち望む)
明確 ⇔ あいまい
の2軸を考えよう。

あいまいな楽観主義が今のアメリカでは跋扈している。
未来がどうなるかはわからないのだが、何かいいことはありそう。でも具体的なデザインはない。
既存のものの改良だけ(弁護士、PE、コンサルタント)
『選択肢を広げてくれるあいまいな選択』を皆が好んでいる。

金融、政治があいまいになり、
哲学(ロールズ・無知のベール、ノージック・リバタリアン)さえも、あいまいになっている
プロセスばかりが語られ、具体的な将来へのビジョンがない。具体的な計画がない。


誤った考え3 『よい製品やサービスを作れば営業がダメでも必ず売れる』
正しい考え3 『営業がダメならダメ。優れた営業は営業とわからないように振る舞う』
誰もが売り込まれるのは嫌なので、営業と名乗るのを忌避するが、企業を売り込むのはインベストメントバンカーだし、自分を売り込むのは政治家だ。


誤った考え4 『世の中の謎はすべて解明されている。もしくは絶対に分からない難題が残っている。』
正しい考え4 『世の中にはまだ誰も知らない隠された真実がある』

隠れた真実とは
あたりまえ(常識)と、不可知(知ることが出来ない原理)との間にある、難しい問題
最近は隠れた真実が存在すると思わない人々が増えているが、本当はそうではない。

隠れた真実は、自然についてのものと人間についてのものの2つがある。
自然についての隠れた真実
人間についての隠れた真実
人間についての隠れた真実は、人々があまり語ろうとしない禁忌やタブーに隠れている
学校で教わらないような分野に隠れた真実があると考えよう。


後半は起業について。
バイオ、エネルギー2.0企業・・・すべてがクソ。タイミングは悪いし技術的差別化は出来ていないしフルコミットの覚悟もない。
ベンチャーは少人数のカルト的グルでフルコミットして固めるべき。
ストックオプションの出し方などについても書かれている。

最後にはテクノロジーの未来。
機械は人間と違って資源を争ったりしないので、基本的には機械が進歩すれば超過利潤は人間に返ってくる。
機械が万能で人間はダメということではなく、補完し合う関係が求められる。

posted by ロボたいしょう at 17:07 | Comment(0) | 読書・書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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