2016年06月28日

東京どこに住む?書評

東京どこに住む?
を読みました。

個人の体験談などを多く含む、ちょっと雑多な感じの本ですが、面白い切り口だと思いました。
本書のメインの主張は、人々は東京の西側から、東側の都心5キロ圏内に移っている、というものです。

単純に西から東へ、というのではなく、東の都心というのがミソのようです。
以下が第1章のまとめ。


序文
東京23区の中でもその性質は大きく異なっている。
東京一極集中と言われているが、23区の中でも人口減少が進む区と、人口が増加しつづける区(都心5キロ以内)がある。
⇒東京内でも格差の時代


西高東低から東へ

かつては、東京都内でも西側の副都心(新宿、渋谷、池袋)を中心とした鉄道路線が人気で、現実的にはその郊外に一戸建てを買うような行動が見られた。
一方で最近のトレンドは、東側で都心に近い場所(例えば人形町、茅場町、浅草、八丁堀、岩本町、月島、勝どき)である。
(=東側の郊外を意味しない)


(西高東低の歴史)
西高東低 鉄道と海運の差で西側は鉄道主体で発展

東側はもともと下町と貧民の街だった
高度成長期に工場などが増えた

新宿、渋谷、池袋の副都心を中心に、郊外に伸びる路線がJR、私鉄共に人気となった
(吉祥寺、中目黒、田園調布、自由が丘)


都心の衰退(ドーナツ化現象)
高度成長期のマイホーム政策
都心集中を避けるために現実には郊外に大量の団地を供給することで実現された

バブル(地価の上昇)で、都心は投機的なマネーが集まり、人が住めない環境になった。


転換(都心回帰)
1997年、タワーマンション法によって、高層住宅の供給が活発になる
職場の近くで飲んで帰る(家の周りは閑静な住宅街が好まれる)スタイルよりも、家の近くが栄えた場所(職食住の接近)が好まれるようになった。


この本では、西から東への移動と、都心回帰の2つのテーマが同時に扱われている。

都心回帰については、郊外の一戸建てへの憧れが薄れていることは、肌感覚でわかると思う。

本書では都心に住むメリットは通勤時間だけでなく、教育、環境にもあると述べている。
さらに、LINEなどのコミュニケーションツールが、友達同士のつながりを、「より近くにいてすぐ呼び出せる友達」にしたとして、15分以内に呼び出せる場所にお互い住むようになったとしている。
インターネットの普及で、物理的な距離が問題にならなくなったかと言われると、むしろ逆というのはしばしば言われることで、
yahooの在宅勤務の禁止などでも分かるように、近くに住むことと顔を合わせる価値というのは、実はかなり大きいと言われている(なので懸命な人は高知に住んだりしてはいけないよ)



西から東への移動については、
これまで、東側は評価が低く、家賃水準が安かった。
また、個人の経営する飲食店が少なく、魅力ある路地が作られていなかった。
今後の再開発でより魅力が増す可能性が高い。
というように述べられている。

実際、西側というのは、この本の定義する皇居から5km圏内というのには遠い(新宿、渋谷で5km)のため、そのさらに外側というのは、都心ではない。
港区や、六本木、表参道というエリアは、距離的には5km圏内だが、あまりにも家賃相場が高すぎる。

一方東側というのは、これまで人が住むような場所ではないと思われていたため、家賃が安い。
住職接近のトレンドにもマッチしているという。

posted by ロボたいしょう at 18:58 | Comment(0) | 読書・書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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